2016アートセミナー報告(植木先生)

大阪新美術館建設準備室主任学芸員の植木啓子氏をお迎えし、主にルネサンス期のヴェネチア派の画家ティツィアーノについて解説していただきました。
 
それ以前は職人という位置づけだった画家の地位が向上し、芸術家として扱われるようになった時代にティツィアーノが活躍したヴェネチアは、交易のハブ機能を持った土地であったため様々な顔料が入手でき、さらにヴェネチア特有の高い湿度の影響を受けやすいフレスコ画に代わって、発色の良い油彩画がいち早く発達したということもあって、ティツィアーノ独特の、ドラマティックで色彩が際立った、燃え立つような筆致が可能になったとお話しくださいました。